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南部虎弾のお通夜にコロアキ乱入:ロマン優光連載276

連載
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色々な話を聞いた。田代さんの話を聞いたギュウゾウさんが怒り心頭で彼らのとこに向かったら、心配して待ちかまえていた人たちにおさえられたこと。大勢の人が怒りに震えながら、我慢していたこと。名前もださずにこっそりと弔問に訪れてくれた人たちのこと。氏神一番さんがやっぱり氏神一番だった話。愚痴や不安。本当に色々な話を聞いた。普段呑んでいるときに見せといる姿とは違う、ギュウゾウさんの初めて見るような表情を何度か見た。

「南部さんの拳ダコは本当にすごかったんだよ」と言っていたギュウゾウさんの姿が心に残っている。

大事な用事があるのに、それを忘れて呑もうとしているギュウゾウさんを促して店を出た。

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3つに増えたお弁当の袋を手にして帰っていくギュウゾウさんの背中が寂しそう…となればいいのだろうが、実際は3つに増えたお弁当の袋を手にしたギュウゾウさんに見送られながら地下鉄の階段をおり、家に帰った。

寝る前に「あいつら、本当にバチが当たってほしいな」と思った。

 

〈金曜連載〉
画像/『電撃ネットワーク南部の公開処刑』(データハウス、1995年)

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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
twitter:@punkuboizz

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