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松浦大悟が解説する東京レインボープライドが炙り出したLGBT運動の矛盾

社会
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ミュータントを恐れて攻撃してくる人類を敵と見なしたマグニートーと、「それでも共存を」と呼びかけるプロフェッサーX。LGBT運動の葛藤そのものである。

日本においては、前述したLGBTパレードの父・南定四郎氏(=プロフェッサーX)と、参院選などに何度も出馬した雑民党の故・東郷健氏(=マグニートー)がそれぞれの立場を代表する存在だ。

IGA(国際ゲイ協会)日本支部長だった南氏は、LGBTパレードの前には「Tバック・女性が胸を露出するなどの全裸に近い格好の禁止」を繰り返しアナウンスしていたという。

一方の東郷氏は、「天皇の朕よりも、私はチンチンの方が好きや」とセクシュアリティによる階級制を批判していった。

こうした二つの思想が混在しているため、東京レインボープライドはどちらかを切るわけにはいかず、緊縛ショーについて否定も肯定もできなかったというわけである。

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東郷氏はゲイから蛇蝎のごとく嫌われ、約10年前にNHKのディレクターが彼の番組を作りたいと新宿2丁目で映像を探しまくった時も1本も出てこなかった。だが今、その東郷氏の思想は形を変えてクィア理論の中に息づいている。LGBT活動家には、国家への包摂を拒否するクィア理論の信奉者がたくさんいる。

「ふつう」の当事者はそうではない。LGBT運動は「自由」と「平等」の両方を求める運動だったが、近年は同性婚など制度の平等を求める議論がポピュラーとなり、性的自由を求める議論は不人気になっている。両者は折り合わない。

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