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頂き女子りりちゃん:サムソン高橋「ハッテン場から愛をこめて」連載8

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もちろんこれで好感度を抱いてしまうのは詐欺師の思う壺なのでは、という意見もあるのだが、全部が計算かもしれないと考えると、やはりたいしたタマである。

りりちゃんが喋る動画も見てしまったりしたのだが、ふにゃふにゃとしながら芯があり、おそらく一昔前なら女子力が高いと形容されるものだ。男に媚びるその様式が男を搾取する方法として使われるなら、それは常に虐げられ搾取され続けてきた女という人種の復讐という解釈もできるのではないか。

それだけに、なんでこれだけのタマが結局ホストに搾取されなければいけないのか、と不思議でならない。親に虐待され学生時代アトピーでイジメを受けた心の穴からくる承認欲求なのだろうか。

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手塚治虫に『人間昆虫記』という悪女物があるが、騙し欺き殺人すら犯す女が結局男の愛と母の愛を求めている虚しい女だった、というオチに多少ガッカリした記憶がある。50年前だと手塚治虫をもってしても結局こんなベタな解釈なのか、と。しかし男女の世界の食物連鎖や権力の勾配は、昔も今もそんなに変わらないのかもしれない。

こういう出来事を見ると、自分はゲイの世界にいて良かった、と思う。性欲の関係性が均衡しているし、多くのジャンルが並列で、チビハゲデブのさえないおじがマッチョの美青年より価値があるという現象も珍しくない。りりちゃんとそんなに変わらない育ちの私がノンケの男だったらキャバ嬢に貢ぐかストーカーになってただろうし、ノンケの女だったらホス狂になっていたかもしれない。ゲイに生まれたからこそハッテン場で多くの陰茎を吸引するだけで済んでいるのである。

 

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PROFILE:
サムソン高橋(さむそん・たかはし)
鳥取県出身。ゲイ雑誌『SAMSON』 編集部で編集者およびライターとして勤務し、同社の『SAMSON ViDEO』も制作。2002年に退社。その後はフリーライターとして活動。能町みね子と同棲生活をしている。主な著書に、『世界一周ホモのたび』(ぶんか社)シリーズ。
twitter:@samsontakahashi

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