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石丸伸二とナポレオン 米山隆一による「石丸現象」評と今後

社会
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当初は連戦連勝を重ねたナポレオンも、次第にその戦術が知られ、相手も同様の戦術で対抗するばかりか、ヨーロッパ諸国が形成した「対仏大同盟」による包囲網が敷かれると、次第に勝てなくなっていきます。石丸氏の今回の躍進で、与野党とも一気にSNS対策を進めている上、次に石丸氏が選挙に出たら、どこに出ようが徹底的にマークされ、場合によっては、それこそSNSを通じたネガティブキャンペーンが張られることも予想されます。得意のSNS戦術が陳腐化する中で「新星」としての新鮮味が薄れ、さして知名度がなかったがゆえになされなかった批判にさらされた石丸氏が、政党に属さないことで大きく不利に働く(少なくとも比例には出られない)衆議院選、参議院選に無所属で出馬して(既成政党を否定する石丸氏が、既成政党に所属して衆議院、参議院選挙に出馬することは考えづらいと思います)、今回のような人目を惹く得票で勝利することは、かなり難しいのではないかと思います(東京や大阪のような多人数の参議院選挙区での勝利はあり得ます)。

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それなら新党を作ればよいかというと、安芸高田市長時代の市議会議員たちとの対立を見ても、都知事選挙後のTV番組でのかみ合わないやり取りを見ても、石丸氏が多人数を集めて組織を作ることが得意なようにも、石丸氏と一緒に一から政党を立ち上げようという奇特な人が多いようにも見えません。2億円という金額は、1人で政治活動をするには十分でも、政党を立ち上げるには決して多いとは言えず、恐らくは生来のローンウルフ(一匹狼)である石丸氏が新党を立ち上げても、泥沼のロシア遠征で消耗し、全てを失ったナポレオンのような結果に終わる可能性は、決して低くないのではないかと思います。

国政選挙がダメなら地方選挙ということで、他の首長選挙に出ることも考えられますが、まずもって一度都知事選挙に出てしまうと、大阪、愛知の知事選挙くらいでなければ格落ちに見えてしまいます。そこを飲み込んで、それこそ安芸高田市をはじめとする他の市長選挙に出ることも考えられますが、そういう市長選挙では空中戦はなかなか困難で、やはり緻密な地上戦を展開できる地元出身候補が強く、いくら石丸氏に高い知名度があるとはいえ、落下傘で勝つことは容易ではないでしょう。

兵庫県知事選か岩手参院補選

結局石丸氏がこれから選挙に出るとしたら、突発的な事態で選挙が発生し、他の有力候補が立ちづらく、自分が立候補する大義名分が立ち、選挙区が広くて地上戦が困難で、知名度を生かした空中戦を展開できる知事選挙か参議院補選だと思います。そしてその最も現実的な候補は、恐らく今現職の斎藤知事が辞任の瀬戸際にある兵庫県知事選挙か、秘書給与詐取疑惑で家宅捜査を受けている(7月30日現在)広瀬参議院議員の、岩手県参議院補選です。

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