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吉田豪が駕籠真太郎先生にインタビュー!

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——それこそアート的な方向に行くことも可能ではあると思うんですよね。それよりは漫画を描いていたい感じではあるんですか?

駕籠 いまそのへんのバランスが難しいところではあるんですよね。たとえば展示会とかやると、漫画家の原画っていうのと、初めからアートとして発表されるものと扱いがまったく違って。それこそ価格の桁がひとつもふたつも変わってくるので。今日もギャラリーの人と話してはいたんですけど、アートとして出したらいいのか漫画家として出したらいいのか、なかなか難しいなとは思うんです。漫画の原画を売るっていうのとアートと。

——まあ決定的に違いますよね。

駕籠 アートになって1点100万とか1000万とかそういう世界になってくるとまたぜんぜん変わってきちゃうんで。そうなると漫画家・駕籠真太郎と名乗って……これたぶん名乗り方の違いもあると思うんですけど。漫画家と名乗ってる以上はあんまりアート的な価値がつかないのかなっていうのもあるし、逆にそっち行っちゃうと漫画を描きづらくなっちゃうっていうのもあるんですけど。

——正当に稼げる世界になってほしいと思いますよ。何か言い残したことはありますか?

駕籠 新刊よろしくお願いします!!

——そういえば藤子Fの短編が好きってよく言ってますけど、Aはそうでもないですか?

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駕籠 あとあとになってAさんもいいかなと思うようになりました。中学ぐらいに藤子Fさんの短編集とモンティ・パイソンと筒井康隆を見てしまったので、それで方向性が決定づけられちゃったんですけど。昔から『ドラえもん』もそうですけど、指向としてはFさん寄りの方向だったんですよね。SF好きだったからかもしれないですけど。Fさんは理路整然としてるというか、ちゃんと振りがあってオチみたいなのがちゃんとあるけど、Aさんはオチなのかよくわかんない、みたいな。「え、これオチなの?」みたいな。

——A先生はボクもインタビューして聞きましたけど、あの人ネーム描かないんですよ。

駕籠 そうなんですか!

——ネームが嫌いだから描かなくなって、それで運よくオチがついたらラッキーぐらいの感じで(笑)。そりゃ話もまとまらないですよ。でも、たまにきれいに収まることがあって、それが癖になっちゃったみたいでした。

駕籠 「ネームが嫌い」で通っちゃうのもすごいですけど。なかなかメジャー誌だとそれは難しいと思いますけどね。

——あのキャリアのあの人だから許された。それに比べて、F先生はたぶんものすごくキチンと作ってたからあの完成度だったはずで、そりゃあF派になっちゃうんですよ。

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