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吉田豪が駕籠真太郎先生にインタビュー!

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駕籠 別冊ではちょっとあいだを空けてシリーズものっていう掲載はあったんですけど、いわゆる定期的な連載という形にはならなかったですね。それも結局、人間がいて、それよりもっと巨大な少女がいて、それを改造して戦わせるみたいな話だったんで、メジャーは無理だと思いましたけど(笑)。

——ダハハハハ! いつもの感じすぎます!

駕籠 あと『進撃の巨人』とか出て、なんか似てないか? と思わなくもなかったんですけど。ただ『進撃の巨人』はなんだかんだいって正義vs悪みたいな区別はわりとあるじゃないですか、あとあとちょっと崩れてきますけど。僕の漫画ってそういうのがあんまりないんですよね。反道徳なところがあるってあとあと自覚するんですけど。それなりに単行本が出るようになって読まれるようになってから、感想で「あなたの漫画は人が死にすぎですね」みたいなことを言われて。それ、あんまり考えてなかったんですよ。

——ただ無自覚に人を殺しまくってた。

駕籠 無自覚に。言われてみれば死んでるなーと思って。あんまり道徳的に正しいと言われるものとは反対のものを描いちゃう資質があるのかなっていまはちょっと思ってます。

——道徳とか関係なく、臓器が出たらいいな、ぐらいの感じで描いてたわけですかね。

駕籠 ええ。『北斗の拳』とかは残酷描写って一応正義と悪の図式があるわけじゃないですか。グロがあってもそういう王道の公式に則ってれば連載できたりするんですよね。『進撃の巨人』もそうですけど。僕はそこがないのかなと思って。あと『ヤンジャン』では、「キャラクターをハッキリさせろ」ってとにかく言われてて。メジャー誌だと、特に主人公のキャラクターを明確にしろって。あれって言ってたのは梶原一騎先生ですか?

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——小池一夫先生ですね。

駕籠 ああ、小池一夫先生ですか。とにかくまずキャラクターを立たせろってさんざん言われてて。どちらかというと世界観を構築するのが好きで、キャラを立たせるのはわりと苦手で。その後も『ヤンジャン』にネーム持って行ってはいたんですけど、今回の世界設定はおもしろいだろうと思っても、とりあえずキャラクター設定してくれ、キャラをまず立たせろっていうところがあって。そこがネックになって結局ダメだったんですよ。

——根に筒井康隆先生とかがあるから、どこか不道徳になっちゃいがちなんですかね。

駕籠 そうですね。筒井さんの小説も、特に短編は不道徳とか反道徳というか。

——ひどいですよね。さらにモンティ・パイソンも好きなわけですもんね、道徳なんか笑ってやるっていうような世界で。

駕籠 そう、中学高校ぐらいはそのへんに染まってたので、だからいかんともしがたいというか。逆に言えばそのおかげで自分の世界が確立できて、いまだにやってられるのかなという気はして。正直、儲けはそんなにないですけど(笑)。ただ一応続けられてるのは世界観を確立させられたからなのかなって。

——間違いなくそうでしょうね。メジャーでいろんなものに振り回されてたら消耗してたり、いろんなことになってただろうけど。

駕籠 そうですよね、それこそ精神病んだり描けなくなったり、描くの嫌になっちゃうとか。今回の単行本ってかなり久々ですから、ちゃんとした漫画って言うとあれですけど(笑)。海外の描き下ろしとかはあっても。あとは『アックス』は忙しいと休んじゃいますけど。『アックス』は自由ですからね。

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