——ボクはそれを見ておもしろそうだと思ったのと、『噂の眞相』で「パワハラで社員が大量離脱」って情報を知ってすぐ『COMIC BOX』を受けに行って合格したんですけど、そのあとの社員とのやり取りを見ただけでパワハラ臭を感じて逃げたんです。
駕籠 そうなんですか(笑)。結局、『COMIC BOX』も載ったのその1回だけなんですよ。そのときは商業誌に載ったことで舞い上がってて。高校で漫画研究部だったんですけど、漫研のみんなと会う機会があって「だったらもっとネーム持ってったほうがいい」みたいなこと言われたんですよ。それは他のメジャー誌も含めて自分をどんどんアピールしなきゃダメだ、みたいなことを言われたんで持ってったんですけど、結局『COMIC BOX』では「これ以上漫画を載せるつもりはない」みたいなことを言われて。
——デビューだけはさせてくれたけど。
駕籠 それで別の雑誌を紹介されたんですよね。そのときはバンダイの『サイバーコミックス』っていうガンダムメインの、いま考えるとなんでガンダムメインのところに描いたんだって気もしますけど。一応SF寄りではあるけれども、わりとエログロは載っけちゃってましたね。でも、そしたらやっぱり「気持ち悪い」って感想が来ちゃうわけで。
——明らかに求められてない。
駕籠 ガンダム雑誌ですから(笑)。
——たしかサンライズ作品も後追いで観てるぐらいの人なんですよね。当時はそんなに。
駕籠 アニメはほぼ観てなかったです。そもそもガンダムに思い入れがないので(笑)。
——ボクは駕籠先生の1個下なんですけど、完全に直撃世代なはずなんですよ。ましてや漫研なら、周りはそんな人ばかりのはずで。
駕籠 そうですね。周りはガンダム観てましたけど、僕はガンダムには行かなかったですね、どちらかというとタツノコ系が好きだったので。子供の頃は『新造人間キャシャーン』とか『科学忍者隊ガッチャマン』とかそのへんの黄金期でしたし。でも、ちょうど中学高校ぐらいはアニメを観てなかった時期で。
——それって、思いっきりアニメブームど真ん中の時期だったと思うんですけどね。
駕籠 そうそう! そうなんですけど、その頃は筒井康隆とか小松右京とか読んでましたね。それで『童夢』とか『AKIRA』とかが出てきて、もうちょっとしたら士郎正宗の『アップルシード』が出てきたので、『アップルシード』と『攻殻機動隊』にガッツリやられちゃったおかげで一時期そっちに作風が向かっちゃってるときがあったんですけど。
——資質が活かせるという意味では、エロの道に進んだことは正解だったわけですね。
駕籠 結果的にはそうですね。三世社に行く前に『レモンピープル』で描いてましたから、要は女の子の裸さえ出しゃなんでもやれるかなと思って。あそこはセックスシーンも特に必要ないような感じなんですよね。
——『レモンピープル』はロリータ要素のある女の子がいれば何をやってもOKな雑誌だったから、破李拳竜先生とかも活躍して。