畠山 でも、有権者の気持ちは移ろいやすいですから。 ――投票日直前の10月23日には、『しんぶん赤旗』から、裏金問題により非公認となった当候補の支部に、党本部から政党助成金2000万が振り込まれていたというスクープもありました。
畠山 純粋に「公認はできないけど応援している」というメッセージだと思いますけどね。世の中の人もそう感じたから反発したんじゃないでしょうか。
鈴木 先日、落選候補者が党本部に集まって報告会をしてましたけど、これが面白かった。そのお金についても蒸し返したりしていて。落選した議員の怒りのマグマはものすごいですよ。
畠山 新人候補も怒っていましたよ。そもそも自分は裏金問題に全く関係がないのに、「自民党公認」ということで、いきなり地元の人に裏金問題について謝り倒すところからのスタートだったんです。地道な努力でなんとか信用を得始めていた矢先の選挙中に、2000万がどうのこうのって話が出てきた。もう頭を抱えていましたよ。
鈴木 世耕弘成氏はそれを利用してましたね。「無所属新人の世耕弘成でございます。今回、党の支援、もちろんありません。なんか2000万円、配られてるそうですが、私にはまったく来ておりません」みたいなことを言ってたんですよ。
――国民民主の躍進も目立ちました。 鈴木 僕が現地に行った神奈川18区は、国民民主の候補がいろんなところにいました。結果、同区から比例復活で当選してます。
畠山 代表の玉木氏は、今年の選挙のトレンドでもあるSNSを駆使している印象は強い。とはいえ、純粋に投票先がなくてっていうところが大きいと感じています。国民民主の「手取りを増やす」って、そんなに流行んなかったような気がするんですよ。実は私、政策はあんまり投票行動に影響していないんじゃないかって疑いを持ってるんです。つまり、選挙はイメージと知名度が重要。だから小泉進次郎氏や河野太郎氏が人気を集める。悲しいかな、本来は政策で選ばれてほしいですけど。