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鈴木エイト&畠山理仁:2024年の三大選挙から浮き彫りになった選挙の問題点

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鈴木 通常の選挙でも、ある程度は怪文書やデマが回ることはありますけど、選挙結果には大した影響はなかった。ただ、この選挙では、デマやそれに付随する世間の熱狂がダイレクトに結果に反映されてしまった。デマ情報が民意を底上げてしまったところがあるので、今後はデマをどうやって防いでいくかの対策をきちんとしないと。こんな危うい選挙がまた繰り返されてしまうおそれがあります。

畠山 選挙中に偽情報が出されてしまったら、当事者の候補はリカバリーできないぐらい、選挙期間は短い。今回も、偽情報を出された候補の稲村和美氏の陣営はその否定に動かざるをえなかったし、否定するにも稲村氏の後援会SNSアカウントは凍結されてしまって、結局は間に合わなかった。選挙期間を長くするとか、不確かな情報を発信した人には選挙期間中にスピーディーに責任を取ってもらうなどしていかないと。

鈴木 デマ投稿を繰り返していたアカウントが、投開票日直前にアカウントを消していたりもしてましたよね。

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畠山 そういう行動は本当にいけないことだという認識にならないと、やり逃げ犯がまた同じことをする可能性が残ってしまいます。なんとかしなきゃいけない。それに、SNSではそういうことが起こりうるものだという意識で、有権者も情報を見なきゃいけない。非常に難しいし時間がかかることですが、究極的には有権者が正しい情報を得る手法を身につけていくしかない。

鈴木 選挙リテラシーを高めないといけませんね。

石丸旋風が際立った都知事選

――昨年7月の東京都知事選についても伺いたいと思います。石丸(石丸伸二)旋風が大きく話題になりましたが、どのような印象をお持ちでしたか?

鈴木 僕は演説を聞いて率直に、かなり危ないなって思いましたね。短いセンテンスでパパっと人々を乗せていく相当な扇動タイプだなと。で、とくに選挙に不慣れな人たちをどんどん取り込んでいって。とくに、石丸氏の切り抜き動画を作成して収益を得るアカウントが増えたことも影響していると思うんですが、これは本当に正しいやり方なのか。公選法上、問題ないのかもいまだに疑問です。

畠山 私が石丸氏の街頭演説に行ったら、「私、小池百合子さんと同い年なのよ」っていう、石丸陣営のボランティア女性に声をかけられたんです。身綺麗で上品な方でしたが、「今まで選挙に興味を持ったことはなかったし、行ったこともなかった。そんな私がまさかボランティアまでやるとは」ってすごく嬉しそうに石丸伸二という政治家の出現を喜ばしく語っていたのが印象的でした。私が「政治的初恋ですね」と返すと「そうなのよ」って(笑)。それくらい、これまでの政治家が呼びかけてこなかった層に刺さる戦略だったんだなと感じました。政策で選ばれたというよりも、「対既存の政治勢力」という姿勢が評価されていたと思います。

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