一方で書籍からランディ・ローズの悲劇について知り、その時代のオジーのソロを何か特別な気分で聴いていた記憶もある。
悪のイメージを求める感じで始まり、名盤100選に出てくるバンドを全部真面目に聴こうという風に変わってきたロックへの探求心は「なんかパンクって、はんどうとく的でむせいふ主義らしいぞ。見た目もすごいし」という理由で聴き始めたパンクから派生した音楽を聴くようになり、その音楽自体の奇妙さにひかれて、高2にもなるとパンク/NW中心に聴くようになった。結果としてハードロック/メタルのほうはモーターヘッドとかヴェノム、スラッシュメタルしか聴かなくなるのだが、パンクのルーツとしてのサイケデリック、ガレージ・パンクの方は掘っていくようになり、ハードサイケみたいな感じでオジー時代のサバスはいいものだと思っていた。オジーがかっこいいし。
居場所のないキッズのための歌
なんだかんだでパンクと言われるようなバンドも初期のサバスが好きなバンドが多く、「やっぱりみんなそうだよなー」と思う。世界中に「Paranoid」をカヴァーしているパンク/ハードコアパンクバンドがいて、それを探してきて聴くのが好きなのだけど、あの曲は居場所のないキッズのための歌だよなといつも思う。一番有名であろうThe Dickiesのやつはあまり好きじゃなくて、誰だかよくわからない無名の高校生ぐらいのバンドがやっているやつのほうが好きだったりする。
オジーのボーカルをハードロック/メタルっぽいとかんじたことがなくて、大げさな感情の起伏をあまり表現しないオジーの歌い方を好ましく思っていた。楽曲的に初期のサバスのようなバンドはたくさん生まれたけど、オジーみたいな声でオジーのように歌えるボーカルはいない。あと、ビートルズが好きで知られるオジーだが、確かにビートルズっぽい曲もあるのだけど、オジーのボーカルだとあんまビートルズに聞こえない。それがいい。
サバスのアルバムでは『Sabotage』(「Am I Going Insane(Radio)」がネオサイケっぽかったりするのも好き)が好きなのだが、最初に「Symptom of the Universe」を聴いたのはサバスのオリジナルではない。恐悪狂人団の「ヤコペッティ」という曲を聴いてすごくカッコいいリフだなと思っていたら、サバスの曲に日本語の歌詞をのっけたカヴァーだったので、後で驚いた。
あと、高校生時代に寮の部屋でラジカセやせんべいの空き缶を駆使し非常にしょぼいノイズを録音していたのだが、ブラック・サバスというバンド名が部落差別に聞こえるからラジオ局で放送されてなかったという話(田舎で普通に友達と話してたのでわりと有名な話だと思う)が印象に残っていたのでバンド名(?)をそれにインスパイアされたものにしてみたという非常に頭の悪いこともあった。そのテープも上京したころは持っていたのだが、今ではどっか行ってしまったけど。