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「この漫画の貧乏っぷりがとんでもない」劇画狼のTOP3

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次はるろうに剣心から武田観柳。連載初期に登場した青年実業家で、裏ではアヘンの密売で利益を得ている悪役。作中ではあっという間に剣心に成敗され、過去の悪事もすべて警察にバレて逮捕、「序盤のインテリザコ」として退場したイメージの強い観柳だが、本編の5年後を描いた続編『北海道編』で、この観柳はどん底から蘇る。

刑務作業中から泥臭い方法で金を貯えつつも脱獄し、過去の反省から「違法」ではなく「脱法」の範疇で己のスタンスを立て直し、無一文から再び成り上がることに成功。「金に綺麗も汚いもない」「私は商人 金銭を介さないやり取りには応じない」という、商人の矜持に溢れた言葉や、「家柄、血統、目の色、肌の色。金で買えないものは差別を生む。だからこそ金に価値がある。何一つ持たぬ身に生まれようと、人並みに金を稼げれば人並みに、それ以上に稼げばそれ以上になれる」という、過去の悪行に目をつぶれば作中屈指の名言で主役を食う活躍の場を与えられた、続編でもっとも評価を上げたキャラクターと言える。「貧乏からの大逆転と精神的成長」、かつて少年だった読者も大人になり、強いだけでは通用しなくなった今だからこそ感情移入できるキャラクターだ。

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最後は名作野球漫画のドカベン。この作品の最初期、家業の畳屋のリヤカーが壊れておじいちゃんが配達に出られなくなったので、足腰の鍛錬を兼ねて畳を背負い配達に出かけ、増水した川に畳ごと転落して流されるという意味不明なトラブルに見舞われる。壊れたリヤカーを買いなおす金さえあれば起きなかった悲劇。貧困が生んだ謎エピソードとしてずっと面白いので、気になる方は単行本5巻を読んでみてほしい。水玉模様のハチマキを締めたドカベンが太鼓を打ち鳴らす景気のいいカバーアートが目印だ。

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文/劇画狼
画像/『FX戦士くるみちゃん』(7)(原作・でむにゃん 作画・炭酸だいすき/KADOKAWA)
初出/『実話超BUNKAタブー』2025年9月号

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