9月19日に集英社オンラインに掲載された『〈市長に暴言で口頭注意〉へずま市議を批判したら1日100件の無言電話を受けた市議「へずま氏は新人研修に参加せず勉強不足」「子どもの安否が心配とDMが…脅迫と受け取りました」』によると、柿本氏には1日100件を超える非通知電話がかかってきたという。
また、柿本氏の子どもの安否が心配なのでもうやめよう、子どもの写真も消したほうがいいという内容のDMが届いたという。
柿本氏はこのことについてこう発言している。
私は、これを脅迫であると受けとっています。なぜなら、本当に心配なら、自分の支持者にそんな卑劣な真似はやめろなどと注意喚起をすれば済む話です。また、私の子どもの写真はすでに拡散されており、いまさら隠したところで、なにも解決しないから。
彼の狙いとしては、私をびびらせて写真を消させたうえで、やり取りを終わらせることだったのでは。そうすることで、私が子どもを守るために話を終わらせたと印象付けることができる。そして、それを狙うということは、私にこれ以上内情を暴露されたくないので、なんとか体裁を保ってやり取りを終わらせたいという意図を感じました。
柿本氏がへずま氏の提案を断ったところ、それ以降は柿本氏の名前をださなくなったという。へずま氏の意図はどこにあったのか真実は今のところわからないが、このように思われても仕方のない悪手だったとは言えるだろう。
迷惑YouTuberを辞めるという宣言して以降のへずま氏の活動は、実際に何をどのようにやったのかわからない自己アピールに終始しており、政治活動もそれを一歩も出るものではない。
「鹿さん」という言葉を使い、鹿への愛をアピールしているへずま氏。奈良公園周辺を保護地区とする一方で、鹿による食害対策として、公園から一定の距離がある管理地区とされる区域では、年間180頭を上限に駆除してきた。その間にある緩衝地区では生け捕りにとどめ、奈良公園内にある鹿苑の中で「奈良の鹿愛護会」が飼育していたが、収容される鹿の増加で過密問題が生じ、2023年には同会の獣医師による告発があった。被害の拡大やこういった飼育の困難から駆除地域が増加しているが、鹿がそんなに好きなら興味がありそうな問題なのに、特にへずま氏が興味を示している様子はない。
へずま氏の狙いは鹿の保護というよりは、反中国的な意識を持った層に対するアピールでしかない。最近の彼のXを見ると、奈良県よりも、鹿よりも排外主義的な主張に乗っかった投稿の方が多いくらいだ。
SNS規制を推進する政治家は売国奴であるという投稿をしているへずま氏。それが自由な言論を守ろうとしての発言なのか、自分の今までの問題あるやり方にさしさわりがあるからなのか、単に誰かに便乗しているだけで深いものは何もないのか。少し気になるところである。
〈金曜連載〉
画像/カンテレNEWS チャンネルより
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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
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