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よしもとよしともインタビュー 描いてきた時代と『青い車』を語る

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よしもと そうですね。でも土台(ネーム)がしっかりしてたから、それができたんだと思います。『青い車』に収録されている「マイナス・ゼロ」も「バナナブレッド’95 」をブラッシュアップしてわかりやすくした話で、それもちゃんと物語としてうまくいったなって感じがありました。

――「マイナス・ゼロ」の最後のコマに、90年代を振り返った主人公の「あれはあれでいい時代だったな」ってセリフがありますが、90年代当時にそのセリフを書き切れるところがすごいと思いました。

『完本 青い車』収録「マイナス・ゼロ」より
©️よしもとよしとも/太田出版

よしもと それは大学の時に読んだカート・ヴォネガットの『スローターハウス5』がベースにあったんだと思います。でも自分が「いい」って思ってるわけじゃなくて、あくまで登場人物がそう思ってるだけですからね。

――「青い車」からは離れますが、デビュー作の4コマ漫画『日刊吉本良明』は私小説的な作品として捉えていいんでしょうか?

よしもと あれはギャグですね。私小説的なものとすれば「銀のエンゼル」(『青い車』収録)が今回出すにあたって読み返して、ヤバいなと思うくらいめちゃめちゃリアルです。

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―「青い車」以降の活動はいかがでしたか?

よしもと 「青い車」の次に描いたのが『COMIC CUE』2号目の漫画をカバーする特集で掲載された「ツイステッド」になるんですけど、これは高木りゅうぞう君の漫画「ツイステッド」のカバーという体裁で実際はオリジナル作品なんですが、部分的なセリフをサンプリングしました。発表したら評判が良くて、江口寿史さんがファンレター届いてるよって教えてくれて、「よしもとさんって他人の漫画のことばっかり言ってる人かと思ったら、自分でも面白い漫画描くんですね」って書かれてたそうで(笑)。

『完本 青い車』収録「銀のエンゼル」より
©️よしもとよしとも/太田出版

『完本 青い車』収録「ツイステッド」より
©️よしもとよしとも/太田出版

世の中を漫画表現に落とし込む

――よしもとさんって漫画ももちろんお好きですけど、音楽もお好きな中で漫画のほうに進んだのはきっかけがあるんですか?

よしもと バンドをやってたんだけど、いろいろあって。

――バンドっていろいろありますよね。

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