10年7月23日、読者を名乗る32歳男性に自宅で48カ所をめった刺しにされ、殺害されたライターの村崎百郎さん。加害者は精神鑑定の結果、統合失調症と診断され、通院歴や病歴から心神喪失の状態であったという理由で不起訴となった。妻である漫画家の森園みるくさんはこれを不服とし、検察審査会に審査の申し立てと不起訴記録の開示を請求したが却下された。
「犯人が罰せられるのであれば気の収めようもあったのかもしれません。不起訴処分は遺族にとっては、とてもショックでした。どこにも怒りをぶつけようがなく。本当につらかった」
思い悩んだ森園さんは警察に話したところ、「犯罪被害者給付制度」を教えてもらい、給付金として満額の1000万円近い金額を受け取ることができたという。逆に言えばアクションを起こしていなかったら、この大金は何事もなくスルーされていたわけだ。
「被害者には何の落ち度もないのに、ある日突然、全く知らない他人によって家族の命を奪われて、それで泣き寝入りなんでできないですよ」
森園さんが、こうこぼしたのも納得できる。無罪にされた上にケアもされない。殺され損以外の何ものでもない。
ドイツでは約3分の1が再犯
人を殺したのに無罪を言い渡された加害者がどう思っているのか。
2022年9月30日、北海道北広島市の無料低額宿泊所で自室に放火し、51歳の入居者女性と71歳の運営法人理事長男性を死亡させた70歳男性。
「理事長と仲間が、入居者らを次々と殺害している」「次は自分が殺される思った」という妄想により犯行に至ったため、心神喪失状態にて無罪となった。
判決を言い渡された男性はその場に座り込み、涙を流しながらこう言った。 「おかしい……2人の命を奪っているんですよ」
自らの罪を認め、罰を受けたいと願っている者の権利も奪う。刑法39条とは誰のためにあるのか。
これを利用して不起訴処分を得ていた男が 後に最悪の殺人事件を起こしたのをご存知だろうか。
