01年6月8日、大阪府池田市の大阪教育大学附属池田小学校で児童8人が出刃包丁で刺殺され、児童と教職員合わせて15人が重軽傷を負った、大量無差別殺人事件。この犯人であり、死刑となった宅間守である。「エリートでインテリの子をたくさん殺せば、確実に死刑になると思った」などと供述していた宅間は、逮捕当初、精神障害者を装った言動を取っていた。それは過去に詐病して罪を免れた経験があったからだろう。
21歳のとき、知人の女性を強姦して告訴されそうになったとき、「息子に暴力を振るわれている」と母親に嘘を付かせて精神科に入院。一旦は告訴を免れた。この時は後に実刑判決が下るが、その後も問題を起こすたびに精神科へ通い、学校の用務員時代にお茶に薬物を混入する事件を起こした際には、罪を免れている。
つまり心神喪失で無罪放免となった人間の再犯が、あの大量殺人事件である。
この事件によって前述した医療観察法が制定され、無罪となった精神障害者の再犯防止対策が強化されたというが、どうだろうか。日本よりも厳しく無期限の措置入院を命じられるドイツでは医療観察期間中に35.2%が再犯していたというデータがある。一方、日本では長期的な再犯率について、十分なデータが公開されていない。調べようにも氏名等の情報が公開されていないので無理だ。
先に述べたように、医療観察法対象者は平均して約2年半で退院してくる。隣の部屋に引っ越してきた人がそうであっても、我々が知ることは、できない。
文/ダテクニヒコ
初出/実話BUNKAタブー2026年4月号
