エプスタインに関する陰謀論は過去に語られてきた陰謀論を応用したもので、既に流布されてきた物語に登場人物や単語を代入しているものでしかない。
エプスタインの犯罪を捜査し、事実を積み重ねて真実を明らかにすることとエプスタインの犯罪という事実を自分の物語に利用することは同じことではない。
事実を積み重ねることで真実を判明させること、その仮定で仮説をたてて検証することと、事実の断片を既にある物語に代入して、それが事実であると結論を出すのは全然違うものなのだ。仮説はあくまで「仮」であって、いつも正しいわけでなく、仮説をもとに事実を積み重ねた結果、そこに矛盾が生じれば、その仮説は放棄すべきなのである。
自説に都合の悪い事実は無視。矛盾するものであっても自分の物語に都合のいい部分は採用。情報が存在しない部分は想像で補完。自分の選んだ物語に沿うように事実の断片を代入して、あらかじめ決められている結論にもっていくことは物事を検証する上でおかしな態度であり、それは陰謀論にすぎない。
エプスタインの凶悪な犯罪行為という事実に関わる様々な言説はそういったことを考える上で重要な試金石だと思う。
〈金曜連載〉
画像/wikipedia:ジェフリー・エプスタインの屋敷
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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
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