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フジロックのHi-STANDARDの発言から生まれた「メロコア」論争で思ったこと:ロマン優光連載403

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バンドマンは必ずしもトークスキルが高いわけでもなく、どちらかといえばあまりしゃべりが上手くない人の方が多い。

特にHi-STANDARDのフロントの二人は昔から弁がたつほうでもないし、МCが上手い方でもないのである。

なんというか、そういうバンドが準備もなく複雑なことについて発言すれば、あんなもんなのではないかと思う。ただ、もう少し何とかならんかったものかとは思う。あれでは明確に肯定的評価も否定的評価もできない。

批難されるべき問題点もあるし、彼らの発言が各所に気を使ったような曖昧模糊としたものであることは日本社会の反映ではないかという考察など意義のあることだが、さすがに勝手に決めつけて悪く言いすぎなのではないかと思うものもあって、そういうのはどうかと思う。

観客のVAMOS NIPPONコールや日の丸のことはこれまでのバンドの歴史を踏まえた文脈があるわけだが、その文脈から離れた受用のしかたを一部の観客がしている可能性についてはちゃんと調べて考えるべきだと思う。

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「メロコア」という言葉の定義

ここからが本題なのだが、ハイスタのこの件に絡めて「メロコアとは」みたいな議論をSNSでよく見かけることになったのだが、「メロコア」という言葉の定義がみんな違っていて話になってない感にあふれていた。

メロディック・ハードコアはハードコアパンクのサブジャンルであり、主にアメリカのハードコアパンクのシーンから生まれてきたものである。

DescendentsDCThe FaithDag NastyといったDischord Records周辺のバンド、ネヴァダの7 Secondsといった80年代前半の聴きやすいメロディのあるハードコアパンクバンドが後のメロディック・ハードコアに与えた影響は大きい。細かいことをいうとカルフォルニアのオレンジカウンティのシーンにいたバンドとか、Skate punkとの関連とか、Hüsker Dü(オルタナティブに与えた影響で語られることが多いが間違いなくメロディック・ハードコアの始祖の一つであり影響もあった)とかサンチャゴ脱退以降のNaked Raygunはどうなんだという話になるが言い出すと切りがないので。

こういったバンドの影響で80年代中盤以降にはイギリスにもThe StupidsHDQVisions Of Changeのようなアメリカのバンド、特にDischord周辺のバンドの影響を受けたバンドが生まれた。ヨーロッパの他の国でも80年代中盤くらいにはそういったバンドが増えていった。

また、アメリカでは80年代後半Gorilla Biscuitsのようにメロディを強調したスタイルのユース・クルーのバンドが生まれ活動していた。

88年にBad Religionの『Suffer』がリリースされ、これがシーンに大きな影響を与えることになる。また、この年NOFXのデビューアルバム『Liberal Animation』もリリースされていて、この年が現在言われているところのメロディック・ハードコア誕生した年であり、この二つのバンドの音楽性、特に後者が日本で言う「メロコア」の音楽性に大きな影響を与えている。

イギリスでは後に日本で大人気となったSnuff80年代後半から音源をリリースしており、このバンドも日本の「メロコア」に大きな影響を与えている。

ちなみにGreen Dayはポップ・パンクバンドというべきで文化的にはハードコアパンクのものを踏襲していたLookout! Records周辺のバンドとしてスタートしているわけだが、「メロコア」ではない。

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