第7回 【元のニュースがわからない問題】【ラーメン箕輪家歌舞伎町進出計画】【地方の高級飲食店を求める富裕層たち】
ニュースについてネットで検索しても、オリジナルにたどりつくことが非常に困難な時代になっている。
このままAIの利用がより進むと、もはや引用という概念自体もなくなるんじゃないかなと思っている。二次、三次、四次と創作されたものに触れるのが当たり前になって、オリジナルについてはあまり気にしなくなるはずだ。
でも引用される側の、きちんと取材をしている人からしたら死活問題だ。近い将来、増殖する記事の根っこの作成者には、なにかしらの利益が享受できる形になっていくシステムが作られる気がしている。例えばYouTube上でひろゆきさんの切り抜き動画が無限増殖されているけど、あれもひろゆきさんにちゃんとお金が振り込まれるからね。
「キリトリ記事禁止」なんて言ってられない。これからは切り抜きされることを想定したコンテンツがどんどん作られるようになって、それが当たり前のように人々の生活の隙間に入ってくる世の中になる。
そういう時代のなかで、一番厳しいのが、自分も関わっている活字メディアである。
『夕刊フジ』が休刊を発表したり、新聞も販売地域の縮小がニュースになっている。このままいくと、3年後にはほとんどの活字メディアがなくなっていくのではないか。
そうは言っても、活字のウェブメディアも厳しいのが現状だ。広告が前よりもひどくなった。「文春オンライン」などの大手メディアのウェブサイトですら「あと5秒見ると報酬がもらえます」という日本語も怪しい広告を見てからじゃないと、記事本文が読めない仕様になっている。もはや、ある種の自殺行為だと思う。