立ちんぼしている自分に酔っている
「それはアイドルオタクでいうガチ恋というやつですね。でも、ガチ恋の割合はオタクの中でも少ないです。そういうヤバいオタクは目立つから、アイドルオタクはみんなガチ恋だと思われていますけど、みんなそうじゃないです。ホス狂いも一緒でしょう。むしろガチ恋というよりも、癒しを求めてホストに行く人が多いと聞きますし」
たしかに、ホスト界隈とアイドル界隈の構図は似ているのかもしれない。しかし、売掛の廃止でそのような大金を払う機会がなくなるのではないか?
「いえ、むしろ逆効果です。僕たちアイドルオタクの世界だと、推しが干されメンだったり不人気メンだったりすると余計に頑張りたくなるんです。もし、担当ホストが売掛廃止などで苦しんでいたら、もっとお金を払ってあげたいと思う。それが推し活をしている人の心理なんです」
最後に、立ちんぼが急増しているこの問題の解決方法を聞いてみた。
「問題は解決しないと思います。というのも立ちんぼは、立ちんぼをしている自分が好きだからです。『こんなに推しのために頑張っている』って、自分に酔っているんですよ。僕たちアイドルオタクも借金をしたり、バイトをかけもちしたり、会社を休んで評価を落としたりしていますが、そういう時って妙な気持ち良さがあるんです。レベルは違いますけど、根本は同じ心理のはずです」
なかなか理解のできない世界……。推し活ビジネスの闇は深いようだ。
文/岡星漫太郎