そういった指摘に対し、作品自体にケチがつけられたように感じる人もいる。ただ、作品自体を否定したりしているわけでもなく、そのファンを糞だとか言ってるわけでもないものに対して過剰反応ではないかと感じる場合もある。部分的に疑問を述べることは作品やファンに対する否定ではないのだから、もっと「へー、そうなんだ」ぐらいに思っておけばいいのではないだろうか。自分自身が全否定されたかのような反応もどうかと思う。そもそも、そんなことを何も考えずに楽しんでいるファンが圧倒的多数なのだから、SNS上で高圧的に向こうから直リプで絡んできたり、よっぽど感じ悪くバカにした文言でポストしているとかでなければ、別に気にすることもないのでは。なんにでもケチをつける人もなんだけど、自分の好きなものに関しての発言が全肯定でなければ自分に対する全否定みたいにとるような人もいるわけで、それもどうかと思う。
指摘側の言い方の感じの良し悪しもあるし、どんなに気を使っても受け取る側の気持ち次第だし、まあ、SNSの難しさの話なのだけれど。
『極悪女王』をきっかけに当時の全日本女子プロレスの実際の試合の動画を見ても楽しいと思うし、吉田豪の『“最狂“全女伝説』や柳澤健の『1985年のクラッシュ・ギャルズ』『1993年の女子プロレス』といった本を読むと色々面白いことを知ることができると思うので、気が向いたら読んで欲しい。ドラマも面白いし、史実も面白いので。
〈金曜連載〉
画像/『極悪女王』メインアート
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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
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