寺内貫太郎さながらに暴れる亜星の姿
しかし、一方で不可思議なことがおこる番組でもあった。
イエローフォーの謎の交代劇は小学生的にも非常に不可解なものだったし、当時から大スターであった真田広之が突然ゲスト出演したのも「子供番組になぜスターの真田さんが…」と不可解に思ったものである。
バルパンサーを演じる息子・小林朝夫のために『太陽戦隊サンバルカン』に小林亜星がゲスト出演したときは、寺内貫太郎さながらに暴れる亜星の姿に「小林亜星が暴れてるー!」と無邪気に喜んでいた小学校低学年の自分であったが、真田さん出演には無邪気に喜べない不可解さがあった。カッコよかったけど。
中学生ぐらいで色々と知るわけだが、大人の事情というものの存在に気付けたという点でも大人っぽい番組であったのかもしれない。
その後の二作も自分の求めていた特撮がそこにあるという感じで熱心に観ていた。
『チェンジマン』は副官ブーバと女王アハメスが印象深い。アハメスのデザインの素晴らしさときたら。
基本的に敵側の人間ドラマが濃厚な作品だが、52話「ブーバ地球に死す」は本当に名作で涙なしには見られない。
『フラッシュマン』の時は自分は学校の寮住まい。非オタや特撮をバカにするアニオタの侮蔑の視線や罵声、中傷の中、寮のテレビ室で見るという過酷な視聴をしていたのが思い出深い。
なんといっても、この作品はサー・カウラーのカッコよさに尽きる。
こうして振り返ると大人っぽいものを求めていると言いながら、単に造形や描写のカッコよさを重視する傾向が強かったのがうかがえ、気恥ずかしくなるのである。
