まず大前提として、フジ側が番組を差し替えた判断を責めることはできないだろう。周知のとおり松本の疑惑に関する真相はうやむやのままだ。松本は疑惑を報じた週刊文春に対する訴訟を取り下げており、実質的に敵前逃亡したようなもの。
「性的行為を直接示す物的証拠がないことが確認された」と意味不明の論理で、かろうじて法的な判断が出ることを避けただけで、一般女性への性加害は事実だったと言われても仕方のない対応である。 「フジテレビは中居正広の性接待スキャンダルもあってギリギリまで追い込まれていますし、中居の件では松本の名前も取りざたされている。この状況で松本のコスプレをすることじたいが問題だし、大悟も現場がOKだからと言ってやるべきではなかった。１年前にも同じコスプレをやっているという言い訳も出ているようですが、あの時とは状況が違いますよ」（スポーツ紙記者）
そもそもこの番組が存続していたことじたいが松本の疑惑を容認してきたとも言えるだろう。大悟がMCを引き継いだのは、松本が裁判の結果などを経て復帰してくるまでの留守番という暗黙の了解があったからに他ならない。松本に心酔し、「ダウンタウンがいなかったら芸人やってない」と公言してきた大悟にとって、松本の居場所を守ることは、単なる仕事ではなく「義理」でもあった。
そんな松本信者である大悟の松本コスプレが差し替えられるのは当然のこと。にもかかわらずフジを叩き、大悟を持ち上げるネットの論調は、本質的な問題から目を逸らさせる欺瞞に満ちていると言わざるを得ない。
降板劇に潜む気持ち悪さ
今回の降板騒動を巡って多くのメディアやファンが口にしているのが、同じフジテレビで放送されていた『ダウンタウンのごっつええ感じ』をめぐる騒動だ。
