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二村ヒトシインタビュー「AV新法改正活動は人権とエロ表現の自由と女優さんたちの労働環境を守るための戦いなんです」

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「もちろんAV出演は売春ではありませんし、日本の法律で認可されているセックスワークも売春ではない。でもこの言葉は、広義のあらゆるセックスワークに拡張できてしまう。『AVなんかに出演すると魂が傷つくから、やめなさい』。これは新法を拙速に作った、すべてのAV女優は被害者であると思いたい人たちが言いそうな言葉じゃないでしょうか。でもね、そんなこと言ったら人間は夫婦でセックスしたって魂が傷つくことがあるし、自分を愛してくれない恋人とセックスだけしつづけることでも魂は傷つきます。

もっと正確に言うと、傷つく人と傷つかない人とがいる。人の傷つきかたはいろいろです。それなのに心理学の大家であり立派な仕事をたくさんした河合隼雄ですら、こんな雑な言葉を残した。

ところがその河合隼雄の息子さんであり、心理学者ではなく犯罪刑法学者であった河合幹雄さんがAV業界をより良くして業界を存続させるためのルール作りをしてくれて、そのための当事者へのヒアリングをした上で『AV女優の多くは、なるべくしてなった女性たちのようです。騙されてAVに出たのではなく、本人の心の中に(金銭が必要という動機ばかりではなく)どうしてもAVに出なければならない必然性があった子が少なくないですね』って言ってくださったんです。これは僕が感じていたことと同じだって感動しました。」

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「もちろん一人ひとりケースは違いますけど、河合隼雄流に言うならば、うかつに何も知らずにAVに出て精神的にも搾取されて不用意に魂を傷つけられることは避けなきゃいけないけど、先に何か(たとえば親子関係の不具合や、子供のころの性暴力被害などの境遇)ですでに魂を傷つけられていて、それから回復するためにAV女優になることを選んだ人もいる。中にはAVでさらに傷ついてやめていった人もいるかもしれないけれど、そうでない人も、AVに出ることで自分の魂を育て直して人間としての誇りをえた人もいるんです。だからこそ我々は、そういう女優さんを搾取してはいけない。

僕は内部の人間として女優さんたちを見てきてそう感じるけれども、内部の人間だから説得力がないかもしれない。だから外部のかたなのにそう言ってくださった河合幹雄先生への感謝があって、ご遺志を引き継ぎたいって思いもあって、僕はAV業界を、AV女優になるべくしてなってしまった女性たちがもっと生きやすい世界にしていきたいって思ってます。」

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