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村上春樹作品の空虚さと人気を煽って商売する胡散臭い大人たち

社会
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 とはいえ、その程度のことだけで、いまどき小説が100万部も売れるわけがない。実際、02年発売の『海辺のカフカ』や04年の『アフターダーク』も多少話題になったが、社会現象にはほど遠く、発売日もお祭り騒ぎにならなかった。

 それならなぜ村上春樹の新作発売が現在のような一大イベントになったのか。

 その理由は、09年に新潮社から発売された12作目の長編『1Q84』にある。このとき、新潮社はまず「村上春樹の最新長編小説 初夏刊行」とだけ告知し、その後開示したのもタイトルと価格、2巻同時発売という情報のみ。発売日まで作品の内容をいっさい明らかにしなかったのだ。

 新潮社の社内でも、最初の情報の段階では営業にもなにも知らせず、発売前に原稿を読んだのは編集幹部と担当編集の数人だけだったといわれる。書店にも詳細を知らせないほど情報統制が徹底していたという。

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 これはハリウッド映画や米アップルが新製品を発売する際によくやる「ティーザー広告」という手法だ。

 断片的な情報のみを小出しにして消費者を焦らしまくり、商品への期待値を上げようという、なんとも必死でセコすぎるプロモーションのテクニックである。

 一説には、村上春樹自身がこの手法を出版社に持ちかけたともいわれている。

 ところが、この宣伝戦略にまんまとマスコミが飛びつき、大々的に取り上げたことで話題が沸騰。本は爆発的に売れまくり、同時発売された『1Q84 BOOK1』『1Q84 BOOK2』は2カ月後に100万部に到達。翌年に発売された『BOOK3』にいたっては、わずか12日間でミリオンを達成している。そして、このときに誕生したのが、タイトルと発売日がアナウンスされると春樹ファンがネット上で「SFじゃないか」「いや恋愛小説だ」と勝手に内容を予測して盛り上がる風潮である。

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