二度目。
バーのママとして登場したとき。
郷鍈治たちには「あねご」と呼ばれていた。
米国人相手のバーだからだろう。白いカツラをつけていた。青みがちのシルバーかもしれない。なんにしてもかわいくも美しくもなければ米国人にも見えない。妖怪である。おばけである。ちょっぴり怖くもある。怪談映画的なかんじで怖い。
三原葉子は全力で嫌われようとしている。
東映の映画館にやってくる観客に。同伴、つきそい、あるいは監督官として随伴する以外に女性客がいたとは思えないあの当時の東映の映画館。そこに来る客に好かれようとはまったく思ってないだろう。思っていたらこの演技はできない。この役はできない。
俳優は人気商売である。
そもそもちやほやされたくてこころざすひとだっている。
だが三原葉子にそれはない。
私が知る限り、感じたことがない。以下次号。
※前回まで記事はこちら
「『0課の女 赤い手錠』その1」「『0課の女 赤い手錠』その2」「『0課の女 赤い手錠』その3」「『0課の女 赤い手錠』その4」「『0課の女 赤い手錠』その5」「『0課の女 赤い手錠』その6」「『0課の女 赤い手錠』その7」
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『0課の女 赤い手錠』(1974年・東映東京)
出演/杉本美樹、郷鍈治、室田日出男、荒木一郎、三原葉子、岸ひろみ、小原秀明、戸浦六宏、遠藤征慈、河合絃司、土山登士幸、菅野直之、藤山浩二、関山耕司、佐藤晟也、久地明、ロルフ・ジェイサー、団巌、森祐介、相馬剛三、小甲登枝恵、鈴木曉子、松本初代、谷本小夜子、竹村清女、久保伊都子、宮崎あすか、横山繁、田沢祐子、高島志敏、山田甲一、佐川二郎、木村修、畑中猛重、丹波哲郎
企画/吉峰甲子夫
原作/篠原とおる
脚本/神波史男、松田寛夫
撮影/中島芳男
録音/小松忠之
照明/大野忠三郎
美術/桑名忠之
編集/祖田富美夫
助監督/澤井信一郎
進行主任/堀賢二
スチール/加藤光男
記録/宮本衣子
擬斗/久地明
音楽/菊池俊輔
主題歌/「女の爪あと」(CBSソニー)杉本美樹
監督/野田幸男
企画/吉峰甲子夫
原作/篠原とおる
脚本/神波史男、松田寛夫
撮影/中島芳男
録音/小松忠之
照明/大野忠三郎
美術/桑名忠之
編集/祖田富美夫
助監督/澤井信一郎
進行主任/堀賢二
スチール/加藤光男
記録/宮本衣子
擬斗/久地明
音楽/菊池俊輔
主題歌/「女の爪あと」(CBSソニー)杉本美樹
監督/野田幸男
※杉作さんの新刊『あーしはDJ』(イーストプレス)が発売中!
<隔週金曜日掲載>
画像/『0課の女 赤い手錠』のBlu-rayパッケージ
PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OOKAMINOHAKABA