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「ネットで真実に目覚めた」層が支える参政党 狂気の主張

社会
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 神谷代表自身の来歴も党の体質を象徴している。元吹田市議として自民党系から出馬した衆院選では落選。その後、「龍馬プロジェクト」なる政治団体や自己啓発ビジネスを手掛け、講演やセミナーで全国を飛び回る政治系インフルエンサーへと変貌した。

「神谷自身、『バズらせるために嘘をついて、人を騙すことがある』と堂々と公言していたこともNHK党の立花孝志と同じビジネス目的のトリックスターなのでしょう。反ワクチンの主張についても、『かつては確かな情報がない中で、ネットで見た情報を自分なりに解釈して発信していた』と言い訳していましたが、これも完全な確信犯でしょうね」(前出・政治評論家)

 参政党の主張は神谷代表の志向を色濃く反映している。ワクチン陰謀論やオーガニック信仰など、科学的根拠に乏しい持論の数々は過去の動画や発言からも明らかだ。神谷自身は「議員バッジをつけてからは発言に気をつけている」と語っているが、つまり参政党の主張は変わったのではなく、目立たないようマイルドに包装されたにすぎないのだ。

 参政党の“ヤバさ”は、結成からのメンバー変遷にも表れている。当初は比較的まともな経済通や外交経験者が名を連ねていたが、神谷氏の陰謀論的言説によって多くが離脱。代わって合流したのが、「反コロナ」「反グローバリズム」を掲げる武田邦彦や、「神の国・日本」を信奉する赤尾由美ら、思想的に極端な論客ばかりだ。この結果、党の主張も一気に陰謀論的傾向を強めていったともいえる。

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「参政党の公募制度は経歴や思想の選別がほとんどないため、トンデモ発言を繰り返す人物が当選するリスクもはらんでいます。政党としては倫理的な統制も、思想的、科学的な検証もありません。これでは政党どころか、カルト的運動体と見なされても仕方ないでしょう」(前出・政治評論家)

 それにしても、なぜこうした極端な思想の政党が支持を広げているのか。この背景には、既存政党に対する絶望と、政治の分かりやすさを求める声がありそうだ。

「参政党ブームを支えているのは『ネットで真実に目覚めた』タイプの無党派層が多いんです。自民党は裏金と増税、立憲民主は何をしているのか分からない。維新や国民民主も保守派からは信用されず、れいわ新選組は独自路線が強すぎてついていけない。そんな人たちにとって参政党が掲げる一見理想的な政策がちょうどいい受け皿になったんです。もともと政策的には右派に近い主張ですし、オーガニック信仰は、かつての『買ってはいけない』ブームのような左派的な運動と近いものがある。そのため左右両陣営から支持者が流れているようです」(前出・政治評論家)

 もちろんどんな思想であれ政治活動は自由だが、どう考えても民主主義の健全な発展とは真逆の方向に突き進む現代の極右カルト政党が支持される現実には危機感しかない。

 

文/小松立志
初出/実話BUNKAタブー9月号

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