「で、嫁の名前は真弓なんやろ?」
「いや、結婚もまだ……」
「だから、そこは『そうそう。嫁が真弓で息子がバース、名前が掛布で岡田が苗字って、ワシの家族は1985年のニューダイナマイト打線かーい!』って、ノリツッコミせんかい! これだから東京人はおもんない言うねん!!」
大阪の人はツッコミ、さらにはノリツッコミを強要してくる。うざい。
さらに東京の人間は面白くないと言いたがる。自分はどれだけ面白いと思っているのか、定かではない。
「つーか、やっぱアレよな。ガキの頃に『4時ですよ〜だ』を見ているか、見ていないかでおもろさは変わってくるんよ。知らんけど」
大阪の人は未だにダウンタウンの出世番組『4時ですよ〜だ』を神聖化している。そして、なんでもかんでも最後に「知らんけど」と言えば面白くなると思っている。うざい。
「そもそも自分、テレビとか見ーひんのやろ。テレビ見とったら、もっとおもろくなるはずやし」
大阪のテレビはお笑い番組ばかりなので、テレビを見ていれば面白い人間になれると思い込んでいる。
「テレビも見ーひんで、休みの日は何してるん?」
「うーん、特にないけど、街ブラとかですかね」
「街ブラ(笑)。東京の人はいちいち小洒落てんのう。大阪でどっか行きたいとことかあるん?」
「『あべのハルカス』辺りに行ってみたいと思っているのですが、新今宮駅でしたっけ? あそこからブラブラと歩いていこうかと」
「え、あ、そーなんや……あんまりオススメはしないけどなぁ」
「なんでですか?」
「ま、えぇやん。それは」