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「この漫画の貧乏っぷりがとんでもない」」ロマン優光のTOP3

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パク・テジュン原作、金正賢作画による韓国のウェブトゥーン喧嘩独学(日本語版では登場人物の大半が日本名におきかえられている)の貧乏描写といえば、作品中最高のヴィラン・コージさんのハードコア・トラウマ貧乏が注目を集めがちだが、主人公・志村光太のささいな貧乏描写もまた心に残る。

志村は母と二人暮らしの高校生。がんで入院している母のためバイトに明け暮れている。しかも、学校では毎日屈辱的ないじめを受けるという凄惨な日々を送っている。ひょんなことで喧嘩動画がバズったことから収益目的で「喧嘩独学」チャンネルを開設。謎の喧嘩指南チャンネル視聴で喧嘩を学びながら様々な不良・格闘家との闘いを配信。収益を上げていく。

プロテインを買わず肉と野菜をミキサーにかけたものを飲んでたり、トレーニングもクローゼットのハンガーパイプにぶら下がったり銭湯で泳いだり、PCやスマホはあるがスタンドまでは手がまわってなかったり、金銭的な余裕のなさゆえに金を惜しんでいるのが如実に伝わってくる。住居の立地の悪さ、買い物する際の躊躇の様子など地味に金がないのを感じさせるさりげないシーンが多く、このささいな貧乏はジワジワとくるものがある。

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地味につらい貧乏描写といえばギャングキング(柳内大樹)。主人公の通う不良高校バラ学の連中と、姉の入院費や事故の賠償金といった様々な事情で高校を中退し建築現場で働いている男たちのチーム・ワークマンズとの間で抗争が起きるのだが、高校生たちが職場におしかけて暴れても、やり返して仕事をクビになるわけにはいかないワークマンズは屈辱的に蹂躙されるしかないという本当につらい展開が待っている。親に養われる身で生活に不安がなく、無責任に暴れられる調子にのった高校生たちとの対比で不幸な出来事のために同年代なのに働かざるを得なくなってしまった男たちの悲哀が浮き彫りになる、ヤンキー漫画史上屈指のメンタルにくるシーンだ。

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文/ロマン優光
画像/『喧嘩独学』1巻(原作・パク・テジュン 作画・金正賢/集英社)
初出/『実話BUNKA超タブー』2025年9月号

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