ここからいつもの高市氏の言い訳が始まった。「自分なりに事実関係を確認した」、その後、「怒って鹿を蹴っている英語圏の方がいらっしゃったので私が注意をしたことがある」、「地域の旅館の方が見ている。その方を呼んでもいい」などとこれまた言い訳を連発。
さらに、総裁選選出後の挨拶でも、興奮が最高潮に達したのか調子に乗って「(自民党総裁として)ワークライフバランス(WLB)という言葉を捨てる、働いて、働いて、働いていきます」と発言。
ところが、これに対して「全国過労死を考える家族の会」が「国のトップに立とうとする人の発言とは思えない」と猛抗議。遺族会は夫や子を過労死で亡くした家族の人たち。「命より大切な仕事なんてない」と訴え続けてきた。
また、国会では過労死防止法が全会一致で成立していて、国をあげてWLBを推進しているのを高市氏は知らないのか。EUではWLBに関しての基準が発効し、すべての加盟国では休日取得などの法制化も実現している。
遺族会の1人は「どうせそんなつもりはなかったとまた言い訳されるのでしょうが、知識も意識もないことがよく分かった」と嘆いている。前出の女性閣僚経験者が続ける。 「過去、総務省の文書が捏造と言い切ったくせに、その後文章の信憑性が明らかになると発言を徐々に変えていった。
また、旧統一教会との関係についても大うそをついていたことが分かった。新聞が、高市氏が旧統一教会系月刊誌に登場していることをすっぱ抜いた時には『旧統一教会と何らかの関わりのある本だということも知らなかった』とコメントしたが、その後雑誌に少なくとも5回出ていたことが分かるとずっと沈黙。そんなうそつきにこの国の安全保障とか国民の命とか任せられるのか」 少数与党として、野党各党との連携や連立なども果たしてやれるのか。
野党との連立もかなり不安
「野党のどこかと連立を組まなければ法案一つ通らない。その場合、保守色を消して野党に譲らないといけない。でも妥協すると、保守の支持者は呆れてしまう。それでは石破氏と同じだ。らしさを出せなければ何もならない」(旧安倍派議員)
さらに、足元の公明党も高市氏には厳しい姿勢だ。 高市氏は総裁就任後、すぐに公明党を訪ねた。しかし、その場で公明党の斉藤鉄夫代表は三つの、いわば条件を高市氏に突きつけたという。