もう一つは指名されたバンドの音楽性が海外バンドとかけ離れていると客が感じるような場合。例としてはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのときのブラッドサースティ・ブッチャーズである。
表面的には音楽性は違うが、ザックはハードコアパンクのInside Outにいたし、トム・モレロのいたLock UpはカルフォルニアのアンダーグランドなパンクバンドThe Mau-Mausから派生したバンド(The Mau-Mausは伝説的なプロトパンクバンド・The Berlin Bratsから派生したバンド)で、ハードコアやその周辺のアメリカのアンダーグランドのロックをルーツにもつブッチャーズの音楽性やライブにひかれても不思議ではないのだけれども、レイジのラップメタル / ミクスチャー・ロックとしての部分にひかれているファンの多くにとってはブッチャーズの音楽性は肌にあわないものだったのは想像がつく。
このようにバンド側は自分たちがやっているのとは違う音楽性のものに対しても積極的に評価をしていくが、ファンがそれを受け入れることができないという事態は避けられないことではある。
ジャンルは違うが音楽的に素晴らしいバンドなので見るべき、バンド側が選んだオープニングアクトなので聴くべきというのは原則として正しいのだが、それは聴かず嫌いの人には有効ではあるが、知っていて嫌いな人もいるわけでどうしても超えられない壁というものはある。
自分も好きなバンドやアイドルの対バンが好きではないこともよくある。
それを受け入れない奴はダメみたいに言うのも違うと思うのだ。
ただ、SNSでオープニングアクト側に文句を言いにいったり、名指しでくさすのは違うという話でしかないので、求め過ぎるのもどうかと思う。
あと、おとぼけビ~バ~をどこそこの前座で見たが受け入れられていなかったし、今回も悲惨なことになるのではと発言している人もいる。一方でおとぼけビ~バ~をそのライブで気に入ったと発言している人もおり、悲惨なことになるのではと言っている人は単に自分が気に入らなかったのを中立ぶって発言しているだけでしかないのではないだろうか。
こういうのはこういうので「なんだかなあ」と思ってしまう。
