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広末涼子の事故報道やアニメ『アン・シャーリー』脚本家に対するSNSの反応:ロマン優光連載336

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前から思っていたのだが、脚本家という職業を過大評価する人が多すぎなのではないだろうか。そこまで権限の強い脚本家はそうそう存在しないのではないか。特にアニメのテレビシリーズにならなおさらだ。たいていの脚本家は与えられた条件にそって、原作をもとに作っていくわけで、作品の出来上がりに関しては演出や、アニメだとデザイン設定の問題もある。作品における脚本家の権限は限られたものだろう。監督のほうが責任は重いと思うし、さらに言うならば、無理な条件で企画を立てて仕事を振った人間に一番大きな責任がある。そういう作品に多く登板しているから気を付けるというのはわかるけれど、作品の失敗の原因を脚本家にばかり背負わせるのは変なのではないか。確かに世の中にはひどい脚本の作品があるのは確かだが脚本家の権限を大きく見積もりすぎなのはどうかと思う。

放送開始されたばかりで、作品の評価を定めるのには尚早だし、もっといえば終わってみなければわからない。そんな段階で、失敗作確定であり、その原因が高橋氏にあるかのように言っている人はどうかと思う。

アニメ『アン・シャーリー』において、今まで主に指摘されたような箇所はデザイン上の問題であり、そこに彼女の意思が反映されているかどうかもわからないし、そこまでの権限が彼女にあるのだろうか? なんであれ、あのデザインにOKを出した人の責任であって、現時点でわかっていることでは『アン・シャーリー』という作品に関して高橋氏を叩く明確な理由はないと思われる。それ以前に、なんというか『セクシー田中さん』の件を思い出してほしい。

『セクシー田中さん』報告書:ロマン優光連載294
294回 『セクシー田中さん』報告書日本テレビでドラマ化された漫画『セクシー田中さん』の作者・芦原妃名子さんが亡くなった問題について、ドラマを製作した日本テレビ、原作の刊行元である小学館の双方から報告書が公開された。両報告書を読み比べて最初に思ったことは、「こんなやり取り続けていたら、メンタルが擦りきれるのは当たり前だ...

どんなに傑作でも『ビューティフル・ドリーマー』を認めない原作ファンは存在するわけで、原作付きの映像化作品は原作ファンから不満が出るのは避けられない。また、同じ原作で過去に名作としていわれる作品があれば比較されるのも避けられないことだろう。原作が好きだったり、過去作が好きだったりすると、細かい点、細かい差異が気になるのは仕方がないことだ。それこそ、他の誰も気にならないようなところでもだ。

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