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関東大震災デマとクルド人デマ:ロマン優光連載306

連載
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在日クルド人のWikipedia

最近のクルド人に対するデマやヘイト発言を見ていると、大災害がおこれば、あのときと同じようなことが起こりかねないという気持ちになる。

Wikipediaの在日クルド人という項目(2024年9月4日現在)を見ると中立性とかけはなれたような記述も多く、そのソースとして在日クルド人に対する根拠不明な記述や事実と異なる記述、誹謗中傷で訴えられている石井孝明氏の関わっている記事が多くみられる。

在日クルド人 - Wikipedia

こういった信憑性があいまいなものでもWikipediaの記事ということですんなり信じてしまう人もいるわけで、こつこつとこういった工作をしている人間がいて実際に効果があがっているのではないかと思う。

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一部の在留クルド人の起こした問題をクルド人全体の問題であるかのようにすりかえ、デマを交えながら過剰に煽って、意図的にヘイト対象としてフックアップしてマネタイズしていこうという人は確実に存在していて、本当に警戒するべきだ。

東洋経済オンラインに掲載された『「スキマバイトをやめられない」52歳男性の窮状』という記事ではタイミ―で生活している50代の貧困男性がクルド人デマを信じている様子が記されていて、本当にくらい気持ちになる。

「スキマバイトをやめられない」52歳男性の窮状
シンゴさん(仮名、52歳)と出会ったのは、日中の気温が35度に達しようとするある夏の日。市民団体が生活困窮者に食料を無料で配布している公園だった。ウーバーイーツの配達とスキマバイトで生計を立てているとい…

日々の生活に追われていると情報を検証したりする余裕がなくなるのは仕方がないことだ。自分もこういった仕事に関わってなければ、情報を掘ったりしないような気がする。経済的に苦しければなおさらそうだ。クルド人デマに限らず各種陰謀論もそうだが、そういった人たちをカモにして、日々の不満の解消を特定の対象への憎しみに向かわせるようなデマを植え付けていこうという行為は本当に下劣だ。

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デマとヘイトでマネタイズできる状況が変わらない限り、同じようなことは続くのであろうし、どうやってそれに対抗すればいいのかはわからないが、せめて流されないようにしていきたいと思っている。

 

〈金曜連載〉
画像/Wikipediaより(関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑、撮影/Hotsuregua)。

『小山田圭吾 炎上の「嘘」 』を読んだ:ロマン優光連載301
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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
X:@punkuboizz

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