PR
PR

「この漫画の初回がとんでもない」サムソン高橋のTOP3

エンタメ
エンタメマンガ
PR
PR

日本の昭和時代、バナナという果物はやたらと男根とイメージ付けられていた。その事実を知らないと大島弓子の傑作『バナナブレッドのプディング』を真に理解することはできないかもしれない。

先に書いた少女漫画と長期連載の相性の悪さで最も適例なのは大御所大島弓子だろう。代表作はだいたいが読み切り、全盛期の連載はすべて1巻で終わり。『綿の国星』も基本読み切りシリーズだし、後に猫エッセイが5巻を超えたが、あれは少女漫画の余生みたいなものだ。その大島弓子は予告用にタイトルを提出してから中身を考えるという綱渡りをしていたそうである。というわけで『バナナブレッドのプディング』は料理雑誌で見かけておいしそうだからと適当に出したタイトルからバナナ≒男根≒性に怯える統合失調症の少女がその生を肯定されるまで、というハード極まりない物語を少女漫画というオブラートに包んだものになる。保護者的な姉が結婚するため精神が不安定になった少女が幼馴染の同級生と再会し、彼女がプレイボーイの兄を仮の同性愛者として牙を抜くことであてがい少女の世界との繋がりを模索する、というのがこの連載初回の筋書き。少女漫画史上最もわけがわからない始まりである。

PR

気が付けばまた昭和の少女漫画の話ばかりしてしまった。そんなわけで最後にご紹介するのは初回は嫌な主人公の安易な配信マンガ、だったのに今や政界編に突入してしまっている『ワタシってサバサバしてるから』、にしようと思ったのだがほぼ同様のスカッとジャパン的な初回からキャラが転がりすぎてあらゆる面でワタサバを超えた猪熊ことり『婚活バトルフィールド37』を挙げてみる。これが載る頃には大団円を迎えているはずで、意外とサクッと終わったのも好印象なのだ。

「このバディ漫画がとんでもない」植地毅のTOP3
「このバディ漫画がとんでもない」ロマン優光のTOP3
「このバディ漫画がとんでもない」岩橋健一郎のTOP3
「このバディ漫画がとんでもない」劇画狼のTOP3
「この恋愛漫画がとんでもない」ロマン優光のTOP3
「この恋愛漫画がとんでもない」しまおまほのTOP3
「このバカ漫画がとんでもない」天久聖一のTOP3
「このバトル漫画がとんでもない」劇画狼のTOP3
「このバトル漫画がとんでもない」植地毅のTOP3
「このバトル漫画がとんでもない」ロマン優光のTOP3
「この漫画のこのキャラがヤバい」サムソン高橋のTOP3
「この定番漫画がとんでもない」ロマン優光のTOP3
「この漫画の最終回がとんでもない」吉田豪のTOP3
「この漫画の最終回がとんでもない」ロマン優光のTOP5

文/サムソン高橋
画像/『聖ロザリンド』(わたなべまさこ/講談社)
初出/『実話BUNKA超タブー』2025年7月号

タイトルとURLをコピーしました